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過疎四苦八苦
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見通せない

過疎四苦八苦

見通せない



高齢者施設に行って 入居しておられる86歳になられるという男性のお一人にお目にかかりました。

お世話になったお方でもあり なつかしい思い出話しもしながら10分くらいお話しをお聞きしました。

ぽつりぽつりと「耳がさっぱり聞こえなくなって」という ぼやきと沈黙を繰り返された後 「これからどうしたらいいのか」と毎日考えていますと話し出されたのです。

私もお気持ちが少しだけわかる年齢になっていますので 思い当たることがありました。

校長先生経験者で 何事にも見通しを立てて暮らしておられたらしく 見通しが立たない人生が悔しくもあり不安なのだろうと思いました。

ご家族からすすめられて通うデイサービスに行っても 問いの答えが見つからない様子なのです。

思い切って「死ぬまで生きて 死ぬときがきたら死ねばいいのではありませんか」と話しました。

ご本人の癖らしく 頭に手を当てて黙ってしまわれました。

むごいことを話したかなあと ちょっと反省もしましたが 死から見通しを立てて暮らすという生き方もあろうと思ったのです。