スリッパ
寺務所に上がられるお客さんのために 玄関にスリッパを準備します。
玄関でお迎えするときは 「どうぞ スリッパをお履き下さい」といいますから 全員スリッパをお履きになります。
ところが一旦スリッパを脱いで座敷に入るときとか お茶室に入り その部屋を出られるときはスリッパを履かずに出られる人が多いのです。
おそらく日頃の生活の中で スリッパを履く習慣がないからであろうと推測します。
そうしないからといって 不作法とか無教養な人というわけではありません。生活習慣はいろいろな場面で顔を出すということを話したいのです。
食事をいただくときに手を合わせること。
脱いだ靴を揃えることや 室内では帽子を脱ぐこと。
あるいは教科書や本などを床に置かないことや またがないこともそうです。
目に見えないものへの敬意から生まれた 美しい生活習慣であると思っています。