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満年齢

過疎四苦八苦

満年齢



お亡くなりになった方の年齢を表現するとき 享年とか行年という表現が使われることがあります。

今ではめったに聞かない表現に「数え年」といういい方がありますが その数え方と似ています。

人間世界に誕生する身となった誕生前の10ヵ月も加えるという考え方が仏教の考え方であると聞いたことがありますので その数え方を享年とか行年というのでしょう。

簡単にいうと 満年齢に1歳加えることです。

40年ほど前にお寺を預かるようになって 門信徒さんの法名、死亡年月日と年齢を記録する「過去帳」も預かりました。

その年齢表現を 今までやっていた享年、行年でなく満年齢にすることにしました。世間の表示方法と合わせたのです。

仏教界の思想を放棄して 世間の通念に取り込まれることを容認したのです。

すこし抵抗がありましたが 日常生活上の特異性をもって仏教思想にふれる時代ではなくなっていると思ったからです。

それ以後 満年齢表示を続けていますが 誕生日が数日後に迫った方の年齢を書くとき 切り上げて表示してもいいかと思うことがなかったわけではありません。

以前「あとひと月で 満100歳でした」と聞かされたことがありました。ご遺族の気持ちを斟酌して 「100歳としてもいいか」と思ったこともありましたが 満年齢で通しました。

そのときこそ 人生の厳しさを感じるときであると実感させられていたのです。