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大蔵経

過疎四苦八苦

大蔵経



お寺の境内に「経蔵」と呼ばれる蔵があります。近年この蔵に出入りすることは滅多にないので、『大蔵経』と名付けられたおびただしい数の経典があることをすっかり忘れていました。

以前は年に一度、「大蔵経の虫干し」といって 中に収めてある全経典を、お参りのみなさんと一緒に手渡しで本堂に移して虫干しをしていました。

その手渡し作業を行うために約50メートルの列を作らなければならないのですが、お参りされる人が減って隊列が組めなくなり中止したのです。

先日お寺に保管してある法物とか文化財のような資料を調べに来られたお方から、「何か珍しいものがないでしょうか」とたずねられて『大蔵経典』があることを思い出しました。

久しぶりに鍵を開けて蔵に入り、あらためて箱詰めされた経典を確かめました。印刷された経典ですが、1677年に編纂されたものらしく、大変貴重なものであることを知りました。

またこの経典一式を、いつごろお寺にお迎えしたのか記録は残されていませんが、一旦お寺から出て戻ってきたという伝承を証明する文字を見つけることも出来ました。

漢字がビッシリと並ぶ折り本や巻物、あるいは和綴じの経典を見ながら、文化財として大切に保管する以外には用途を思いつきませんでした。

そうではありましたが大蔵経を編纂された志と、お寺に迎えようとされた昔の人々の熱い思いを感じることは出来ました。

中に書いてある教えは、現代社会に届くことばになってこそ蘇ることを信じてお寺の仕事を続けます。