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過疎四苦八苦
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なまこ

過疎四苦八苦

なまこ


知り合いの漁師さんからなまこをいただきました。買ってまで食べることはなかったので、30年くらい前のことを思い出しながら料理しました。

食べながら、「なまこはどんなところに棲んでいるの?」とか「なまこはどうやって採るの?」と生態を質問する家内に、あれこれとなまこの話をしました。

そのとき「なまこの旬は今の季節だよ」と、季語にもなっていることも説明しました。

翌日、なまこを詠んだおもしろい俳句はないだろうかと『歳時記』を調べたら、なんともおもしろい句がありました、ありました。

「浮けなまこ仏法弘通の世なるぞ」という小林一茶の句です。桶の底に沈んで動かないなまこに呼びかけることばに、何ともいえないユーモアを感じたのです。

なまこを切るとき一瞬戸惑いました。頭の方から切ろうとしたのですが、頭と尻の見分けがつきません。口を見つけて頭側を確認したのですが、目はないのです。

そんななまこに向かって、仏法を聞いて「もっと別な生きものに生まれ変わったらどうか」と思ったのでしょうか。生きものに対する一茶のあたたかい心を感じたようで、私の心が和みました。