読み解く
読み解くということばがあります。「ああ、深い表現だなあ」と思いました。
経典を読んでいますと、私たちが日常で使っていることばに突然出会うことがあります。例えば救済とか歓喜とかいうことばですが、このことばを現在の感覚で理解したら、そのことばの本意を誤ることになると気づいたのです。
そこにそのことばが使われた社会背景や、お使いになった人物について考えながら読む。それが「読み解く」という意味でした。
「融資して救済しよう」と使用している救済ということばの意味が、「如来に救われる」という救いとまったく同じ意味ではないのです。
困ったときとか絶望の状態が解決される事実が、如来の救いと同じことではないのです。
如来の救いということばは、一時的で表面的な状況の救いではなく、死を抱えて生きる覚悟が決まるといういのちの救いなのです。
経済的な行き詰まりによる苦悩とか病気などによる苦悩を抱えながら、その状況の中で生きることが出来るということです。
読み解くことの大切さを感じながら経典と向かい合っています。