おなら
控え室でおおぜいのお坊さんたちと法衣を着て身だしなみを整え、いざ本堂に出仕しようと立ち上がりました。
そのときです。
「プッ」と、自分ではさほど大きくは思いませんでしたがおならが出ました。
一瞬、周囲のお坊さんたちに「聞こえたかな?」とも思いましたが、「いやいや聞こえなかっただろう」と思い素知らぬ顔で歩きました。
家に帰ってこの出来事を家内に話しました。家内は、そのとき「それは聞こえたよ、アッごめん」といえばよかったのにといいました。
高齢になるとよくあることだし、笑って終わったのにというのです。そうでなければ「おならをしたこともわからないようになった」と思われるかも知れないというのです。
「いうべきか、いわざるべきか。それが問題だ」とシェークスピアの台詞のように考え始めています。